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フタクチサン 〜怪異料亭若女将〜
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◆ 山中深くにある朽ちた旅館に住み着き、 小さな怪異料亭を商う二口妖怪。 料理の代価はおもに土産話や世間話に付き合うこと。 人当たりが良く、山に迷い込んだ人間を招き入れることもある。 ◇ 本体は髪であり、物事を判断し飲み食いする目口は 全て髪に備わっている。 前面の顔はそれに操られているだけで、目は飾り。 前の口に何かを運ぶこともない。 全ての所作は髪によって行われるため、 重要な役割から外れた手足は存在感を失い、 両脚は履物と、両腕は振袖と一体化してしまった。 ◇ 三度の飯よりお喋りが好き。 時に人を獲って食うこともあるが、 外の見聞に富んだ人間は彼女にとって貴重な存在。 いい話し相手になるようなら危害を加えることはまずない。 だが、あまり気に入られると逆に手厚く持て成され、 なかなか帰してもらえないので注意が必要だ。 老衰に至るまで、死んで亡霊となってまでも 付き合わされることさえある。 |
