あらすじだけを読む女

綺麗な白い蝶々が目の前をヒラヒラよぎったって
すぐに落ち着いて、穏やかな目で行先を見守れるでしょう。
同じ場所で、黒い小蝿がブンブンとまとわり寄ってきたら
おぞましくって、思わず顔を背けて払い除けたくなってしまう。
どちらかが毒を持っていたのかは問題じゃない。
でも、この態度を咎める人がどこにいて?
よそとの関わり合いだって、似たようなものだわ。

貴方がもし人のそういうところに気がついて、
それに心を痛めるようなことがあるのなら、考えものよ。

「励ましのつもりか、文学好きは何を言うにも回りくどい。
 はっきりと言ってくれる方がまだ優しさがあると思わんかね」

私、文学は好きだけれど、レットレ《文学好き》は嫌いよ。

彼らの多くはラルボーを読んだとは思えないし、
そんな人に限って自分はレットレだとアピールしたがる。
小さい見栄っ張り同士、ホラの吹き合いが楽しいだけ。
彼らが好きなのは文学じゃなくて、自分語りなのよ。
まったく、"Floccinaucinihilipilification"だわ。

「つまり、君のような人のことか」

はっきりと言ってくれる貴方は、優しい人ね。


ハナサカ計画

「02号、まだやっていたのか。
 それくらいにしないと、きみが枯れてしまうぞ」

『でもこの子、まだ元気にならないの』

「その子はもうだめさ、残念だがね」

『でも、もう少しだけ』

「そんな子を増やさないための君たちじゃないか。
 さあ02号、きみを待っている子が沢山いるんだよ」

でも、この子もきっと待っていた
02号はこの子を助けられなかった
自分たちのしていることは本当に意味があるのだろうか
ふとわいた疑問を打ち明けた04号に、先生は
「よくあるノイローゼだ」とおっしゃったそうです。



昨日、異国の彼はいいました。

世界中の人々が
仲良くできる日は
来るのかって?
答えは"イエス"だね

それはなぜかと尋ねると、彼はいいました。

「だって、僕と君は友達だろ?」



今日、異国の彼はいいました。

世界中の人々が
仲良くできる日は
来るのかって?
答えは"ノー"だね

それはなぜかと尋ねると、彼はいいました。

「だって、お前は海苔を消化できるエイリアンなんだろ?」

題:ソーリャソーダ
著:Ms. Virulent Poem



私はあの人のこと、よく知っている
だけど
あの人は私のこと、よく知らないんだろう

私はあの人のこと、とても気になっている
だけど
あの人は私のこと、とくに気にしていないんだろう

私はあの人のこと、尊敬している
だけど
あの人は違う誰かのことを尊敬しているんだろう



あの人は色んな人と交流している
だけど
私はあの人と交流したこと、ほとんどない

あの人に話かける人は沢山いる
だけど
私は話しかけたこと、あんまりない

あの人はたびたび問いかける
だけど
私はいつもその答えが分からない

あの人はよく誰かと楽しそうにお話をする
だけど
私はいつもそのやり取りを見守っているだけだ



あの人の顔、想像してみる
だけど
私はあの人の本当の顔を知らない

あの人の声、想像してみる
だけど
私はあの人の本当の声を知らない

あの人の好き嫌い、想像してみる
だけど
私はあの人の本当の好みを知らない

あの人を想像してみる
だけど
私は本当のあの人を知らない


私はあの人のこと、いつも見てる
だけど
私がいつも見てるのは、あの人じゃないのかもしれない

題:恋するアームチェア
著:Ms. Virulent Poem


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